【たけのこのアク抜き】水だけ・米ぬか・重曹でのアクの残り具合を比較


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【たけのこのアク抜き】水だけ・米ぬか・重曹でのアクの残り具合を比較


たけのこのアク抜きについて、色んなアク抜き方法が存在しますが、一番良いのはどれなのでしょうか?

もちろん用途や環境によってベストな方法は変わってくるとは思いますが、


・一番ラクな水だけで茹でる方法
・一番一般的な米ぬかを使う方法
・アルカリ性の特性が強い重曹を使う方法


について、アクの抜け方やたけのこの様子を比較していこうと思います。



水だけ・米ぬか・重曹のアク抜け方の比較


水だけ・米ぬか・重曹をそれぞれ使って、同量のたけのこを用い、同量の水で、同時間茹でてアクの抜け方を比べてみました。

少しアクが残るくらいで味見してみたところ、どれもアクの抜け方に違いはみられませんでした


米ぬかを使う理由とメリット・デメリット


米ぬかを使う理由としては、


・米ぬかのアルカリ性でアクが抜けやすくなる
・米ぬかのデンプンがアクを吸着する
・米ぬかのカルシウムがアクと結びつく
・米ぬかの風味でアクを感じにくくする


等が主な理由として色んなサイトにかかれています。本当でしょうか?


米ぬかはアルカリ性?酸性?


米ぬかを水に溶かし、pHをはかってみました。

結果はpH6~7程度、中性か弱酸性でした。

茹でている最中にもはかってみましたが結果は同じく弱酸性。

アルカリ性で得られる効果は、米ぬかでは得られなさそうです。


アクを吸着する・結びつく


アクを吸着する、アクと結びつくについて、どの程度妥当性があるでしょうか。

仮にアクを吸着するのが事実だとして、それは表面の一部、メインは茹で汁中に溶け出したアクと考えるのが普通。

たけのこ内部まで浸透してすべてアクと結びつくとは考えづらいです。


となると茹で汁中で冷ます最中にアク成分がたけのこ内部に戻るという前提でしか効果を発揮しないのでは?と思っています。

実際、↑の動画では茹で汁中で冷ましましたが有意な違いは感じられませんでした。

仮にそうであったとして、水を変えるという選択肢も取れますし、風味も一緒に戻ることに期待するなら皮を別茹でしてそこで冷ます方がアクを排除できるので合理的です。


たけのこの皮については↓

【たけのこのアク抜き】皮にアク・風味はある?と皮を付けたまま茹でるか否か - IKASHIYA CULINARY ART


風味によるマスキング


これは妥当性があると思います。

実際米ぬかで茹でると米ぬかの風味が移りますし、多少のマスキング効果が期待できます。

だからといってえぐみの全く気にならないわけじゃないので、ある程度アク抜きをするのが前提にはなりそうで、実際アクがそれなりに残った状態ではマスキングがあれどえぐみは気になりました。


米ぬかを使うメリット


一番のメリットとして自分が思うのは、マスキングというよりもっとポジティブな「風味付け」という理由。

一般的に日本料理屋さんでは米ぬかを使ってアク抜きが行われているでしょうし、「料亭の味」でいえばたけのこ本来の味より米ぬかにより風味付けがされている味に美味しさを見出す人も多いでしょう。


逆にいうと米ぬかによる風味の付与はたけのこ本来の味とは厳密には違うので、好みの分かれそうなポイントだと思いました。


米ぬかを使うデメリット


米ぬかを使うデメリットは、シンプルに用意・処理が面倒、ふきこぼれがしやすいという点。

家庭ではちょっと使うづらく、生のたけのこを茹でるより水煮を買ったほうがはるかに楽だよねというハードルになっていると思います。


メリットの風味付けも人によってはデメリットになりうるでしょう。


唐辛子・鷹の爪の役割


米ぬかと一緒に使われるのが唐辛子・鷹の爪。

こちらも唐辛子だけでアクの抜け方や茹で汁への寄与を試してみましたが、特に効果は感じられませんでした。


アクの抜け方は変わらず、そもそも茹で汁にさえ唐辛子の風味が流出していませんでした。

はじめは和食の五味の考え方かなと予想しましたが、風味付けで入れる場合には輪切りにするなどして流出を多くする必要があるかと思います。


また保存の観点からも現代ではわざわざ入れるほどのメリットはないかと思います。


重曹を使う理由とメリット・・デメリット


たけのこのアク抜きに重曹を使う理由として、よくサイトに書かれているのは


・アルカリ性がアクを抜けやすくする
・たけのこの組織を柔らかくする(+結果アクが抜けやすくなる)


アルカリ性で茹でることによる軟化効果とアクの抜けやすさ


実際に重曹で茹でてみたところ、多少の軟化効果は確認できました。

ただ前述の通り、だからといってアクが著しく抜けやすくなることは確認できませんでした


黄色く変色する


アルカリ性で茹でることでの特徴の1つはたけのこが黄色く変色すること。

逆に黄色く色づけたい場合は選択肢になりますが、行き過ぎると黒っぽくもなるので考えもの。

一般的に市販のたけのこの水煮も、pH調整剤で中性~弱酸性に調整されているかと思います。


重曹の風味が移る


こちらは大きなデメリットだと思います。

重曹の風味が色濃く移ってしまうとアク以上の不快感になるので、重曹で茹でるとしても少量にしなければなりません。


まとめ


以上から、家庭で手軽にたけのこのアク抜きを行うにあたり、個人的には


・基本的に水だけで茹でても問題なくアクが抜ける
・風味付けをしたい場合は米ぬかを使う


という結論になりました。

どれが良いかは人によるとは思いますので、特徴を比較して選んで頂くのが良いかと思います。


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